私は以前よりカメラが好きで、最初はフィルム式の一眼レフを持っていました。ミノルタのα9000というハイアマ向けモデルで、リバーサルフィルム(スライドになるやつ)を使ってポートレートや風景写真を楽しんでいました。その後シンガポールへ駐在したのを機に初のデジカメを、ということで、オリンパスのC4040という、一眼レフではありませんが400万画素の中クラスのモデルを購入しました。それでシンガポールの観光地の写真をたくさん撮影しているうちに、せっかくだからこの写真をWEBに公開しよう、というのが、この「シンガポール駐在記」を制作するきっかけになりました。しかし帰国した後に日本国内の風景などを撮影しているうちに、一眼レフでないことに次第に不満がたまってきたので、昨年(2005年)9月にはとうとうデジカメ一眼レフであるニコンのD70s(610万画素)を購入し現在に至っています。

デジカメの特徴はまず撮影してみて液晶モニターで確認し、もし写りが良くないようであったらその場でその画像を消して撮り直すことが出来るというものです。また、撮影後にパソコンを使って露出補正、彩度調整などの画像調整が可能であることも大きな特徴です。要するにフィルムカメラ時代のような「一発勝負」をしなくても良いので、ある意味では一般の人にも馴染みやすくなったと言えます。

しかしその逆に、シャッターを押すまでの緊張感が薄れるこいうことも言えると思います。やり直しがきくから、と手軽にパチャパチャ撮影する方も多いのですが、私はそこはこだわり、シャッターを押す前に露出など可能な限りの調整をカメラで行ない、事後の画像調整は一切しないようにしていました。よって、パソコンを使った画像調整は邪道である、と考え、これまでそうしたソフトには見向きもしませんでした。

Nikon Capture 4
その考え方が変わったのは、最近何気なくニコンのHPを見ていた時のことです。ニコンでも専用の画像処理ソフト「Nikon Capture4」というのがあり、お試し版をダウンロード出来るようになっていました。そこでこれまでは気にもとめなかったそのソフトを、何気なくダウンロードして使ってみたのです。これは露出、彩度、アンシャープマスク(輪郭をくっきりさせる)など、かなり本格的に画像調整出来るもので、プロカメラマンも使用しているようです。

さて、それを使って過去に撮影した写真を調整してみました。慣れないうちはちょっと面倒くさいのですが、見る見るうちにその画像が見違えるほど美しくなっていくことに驚きました。いや、これは面白い! ということで、これまでのこだわりな何のその、一発で気に入ってしまい、その場で正規版を購入してしまいました。価格はパッケージ版の定価は15,000円ですが、ダウンロード販売では安く11,000円程度です。

過去の写真とは全てJPEGの低圧縮で撮影したものですが、より細かい精密な調整をする為にはRAW (CCD読み込みデータそのもの。RAW(ロー)とは「生データ」という意味)で撮影し、パソコンで現像処理をすると、より美しく仕上がります。しかしRAWデータはJPEGの2倍近くのメモリー容量をくってしまう(610万画素のD70sの場合、写真1枚当り5〜6MBになります)ので、現在手持ちのコンパクトフラッシュ512MBでは不足で、新規に追加で1Gのカードまで買ってしまいました。そうすると1Gと512Mの2枚のカードで、RAWデータであっても270枚ほどは撮影出来るので、一泊二日程度の旅行でも不足になることはありません。

3月に買ってからはこの画像処理が面白く、過去の撮影データを暇を見つけては再処理するようにしています。確かに手間はかかりますが、実際に仕上がったあとの美しい写真を見ると、これまでの苦労などは消し飛んでしまうほど、満足感の高いものです。カメラの楽しみは撮影のみ、と思っていたこれまでとは違い、撮影後の画像処理の楽しみまで加わり、ますます写真を撮るのが楽しみになってきました。

特にD70sの場合は、どうもAWB(オート・ホワイト・バランス)がどうしても暖色系に偏る(赤みがかかる)傾向があり気に食わなかったので、そのWB調整は必須です。RAWで撮影した場合はそれが出来るのが一番ありがたいです。私の場合はWBを少し低めに落とし、ブルー系のクールでシャープな写真が好きなので、その方向に調整しています。
具体的な調整内容は概ね下記の通りです。
 ・ホワイトバランス・・・少し低めに。「晴天モード」に合わせると大体イメージが合いますが状況みて微調整します。
 ・コントラスト・・・トーンカーブで若干メリハリつけるように。特に逆光時はコントラストがなくなるので調整必要。
 ・ノイズリダクション・・・必要に応じて。薄暗い所で撮影した場合、暗部にはノイズが目立つことがあります。
 ・アンシャープマスク・・・輪郭をくっきりさせることは、デジカメでは必須の調整。
 ・D−Lighting・・・シャドー部を少し明るめに調整することにより、全体的な露出調整を兼ねます。
 ・彩度・・・LCHエディタを使い色の鮮やかさを調整。これこそ画像調整の最大のメリット。空は青く、木は鮮やかな緑に。


最近RAWで新たに撮影した画像はもちろん、過去のJPEG写真も暇を見つけては処理しており、このHPの写真も徐々に置き換えていきます。
ちなみに画像処理前と後のサンプルを示しますので、比べて見て下さい。
(クリックすると拡大します→1024ドット幅)

オリジナル画像    補正後
三陸海岸(唐桑半島) 2006/05/04 RAW撮影

絞り優先オート F6.3  露出補正 +0.3  ISO200  AWB
「風景きれい」モード  マルチパターン測光
CPLフィルター使用
  全体的に暗めなので明るく補正し、海の青さを強調。
ホワイトバランスも「晴天」モードに修正
三陸海岸(唐桑半島) 2006/05/04 RAW撮影

絞り優先オート F5.6  露出補正 +0.3  ISO500  AWB
「風景きれい」モード  マルチパターン測光
CPLフィルター使用
  ホワイトバランスオートでは青みが強く出ているので
「曇天」モードに変換し赤みを出した
我が家の花 2006/05/04 RAW撮影

絞り優先オート F4.5  露出補正 +0.3  ISO400  AWB
「風景きれい」モード  中央部重点測光
  コントラストを強めに調整しつつ、花の紫を強調
伊豆(城ケ崎の灯台) 2006/03/11 JPEG FINE撮影

プログラムオート F7.1  露出補正 +0.7  ISO00 WB晴天
「風景きれい」モード  中央部重点測光
CPLフィルター使用
  露出補正の不足を補い明るく。
彩度もあげて海の青さと緑を強調。全体的にシャープに。
JPEG画像の修正は限度あるのでRAW撮影が望ましい
千鳥ケ淵 2006/04/01 RAW撮影

絞り優先オート F8  露出補正なし   ISO200  AWB
「風景きれい」モード  マルチパターン測光
CPLフィルター使用
  露出補正なしでは暗いので明るく補正。
彩度を上げて空の青さと桜のピンクを強調


(2006年5月20日)
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